講演内容
2010 年代に動画配信によって日本のオタク文化商品の普及が決定的になった。
その成功には漫画アニメとゲームが一緒になって文化コンソーシアムを作っていた事は決定的な要因になっている。
マンガ・アニメ・ゲームは市場としてみなされにくい特性があった。存在する商品のユーザがただ熱狂して、たまたまそこに経済がスポットで生まれる単なるヒット商品の集まりのようにしか見られていない傾向がある。
だが、こうしたエンターテイメント産業も他の製品と同じように、国、制度、社会、文化の壁を越えるために様々な工夫がなされ、類似商品、類似産業の成功、失敗をラーニングしながら組織的経験を蓄積しバリューチェーンとして事業を展開している。
「 ライブコンテンツ化 」とはユーザーの需要に応えて物語を提供し続けることである。
好きになったキャラクターについて理解を深め、消費を拡げようとすれば必ずそこには新しい商品や体験がある。その喜びや消費の仕方を共有し合うコミュニティーにもアクセスできる。こうしたコンテンツが生きている状態を指す言葉でもある。
供給と消費の「 ライブコンテンツ化 」が 21 世紀にオタクジャンル商品を輝かせ想像以上の市場を形成している。
日本コンテンツの海外開拓・アニメの動画配信による新市場創造など、海外での IP 展開事例などを交えて議論したい。
講演日時
2021 年 4 月 15 日 (木曜) 18:00 – 19:30 [ オンライン講演 ( Zoom ) ]
講演映像と資料
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登壇者 プロフィール
中山 淳雄 Atsuo NAKAYAMA
株式会社ブシロード 執行役員
早稲田大学ビジネススクール 講師
エンタメ社会学者
ブシロードでアプリゲーム、トレーディングカード、アニメ、新日本プロレスなど日本コンテンツの海外展開を担当。
リクルートスタッフィング、DeNA、Deloitte を経て、バンダイナムコスタジオでカナダ/シンガポール/マレーシアで会社・事業立ち上げ。
シンガポールでブシロードインターナショナル社長に就任、2019 年 4 月より帰国して現職。
著書に『 オタク経済圏創世記 』『 ソーシャルゲームだけがなぜ儲かるのか 』『 ヒットの法則が変わった 』など。
渡辺 哲也 Tetsuya WATANABE
株式会社電通 事業企画局 Consulting Manager
新卒で電通入社。メディア・コンテンツ部門、海外部門などを経験。
アニメ番組、映画への出資、事業投資などグローバル・コンテンツビジネスに精通。
現在、チャイナテックやブロックチェーン、コンテンツテックなど新規事業領域のマネジメントを担当。
得意領域はコンテンツの海外展開とアニメの生態系の研究。国内外のコンテンツ関連イベントでの講演多数。
早稲田大学ビジネススクール ( MBA 修了 ) 慶應義塾大学メディアデザイン研究科博士後期課程在籍中。