オタク文化と呼ばれたコミック、アニメ、ゲームなど日本のサブカルチャーは、デジタルにより世界市場参入を果たし、今やコンテンツ産業として新たな日本の戦略産業と認識されるまでになっている。また、コンテンツに触発された”推し活”は、停滞していた国内消費を牽引するモーメンタムになりつつある。本大会では、このような経済的パワーを有して、一気に世界産業化しつつある日本のコンテンツ産業に焦点を当てて、第一線の専門家によりその現在地と未来を探ることにする。
講演日時
2024年11月17日(日)13:00 – 18:15
会場
早稲田大学 小野記念講堂
プログラムと講演映像
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13:00 – 13:10
開会挨拶
平野 正雄 日本ビジネスモデル学会 会長
13:10 – 13:50
基調講演「クールジャパンからクリエイティブジャパンへ -コンテンツ産業の戦略と展望-」
中村 伊知哉 iU(情報経営イノベーション専門職大学)学長
13:50 – 14:30
講演1「ゲーム事業の考察とセガのケース(トランスメディア戦略)」
内海 州史 株式会社セガ 代表取締役 社長執行役員 COO
14:30 – 15:00
休憩
15:00 – 15:40
講演2「アニメは誰のものか – 日本アニメのアジア展開」
三原 龍太郎 慶応義塾大学経済学部 准教授
15:40 – 16:30
講演3「クリエイターエコノミー:サブカル創り手たちが生み出すファンダム経済圏」
中山 淳雄 エンタメ社会学者
16:30 – 17:00
休憩
17:00 – 18:00
パネルディスカッション「日本アニメのグローバル化…バブルかリアルか」
三原 龍太郎 慶応義塾大学経済学部 准教授
中山 淳雄 エンタメ社会学者
丸茂 礼 株式会社テレビ東京 アニメ局長
ファシリテーター
渡辺 哲也 円谷フィールズホールディングス株式会社 グループ事業経営戦略本部
18:00 – 18:15
閉会挨拶
平野 正雄 日本ビジネスモデル学会 会長
田中 謙司 東京大学大学院 工学系研究科 教授
18:15
ご案内
西田 治子 日本ビジネスモデル学会 代表幹事
登壇者 プロフィール
中村 伊知哉 Ichiya Nakamura
iU学長
京都大学特任教授、東京大学研究員、デジタル政策財団理事長、CiP協議会理事長、国際公共経済学会会長、日本eスポーツ連合特別顧問、理化学研究所コーディネーターなどを兼務。
1984年、ロックバンド「少年ナイフ」のディレクターを経て郵政省入省。MITメディアラボ客員教授、スタンフォード日本センター研究所長、慶應義塾大学教授を経て、2020年4月よりiU学長。内閣官房、内閣府、総務省、文部科学省、経済産業省などの参与・委員を歴任。
著書に『新版 超ヒマ社会をつくるーアフターコロナはネコの時代―』(ヨシモトブックス)、『コンテンツと国家戦略』(角川EPUB選書)など多数。
1961年生まれ。京都大学経済学部卒、大阪大学博士課程単位取得退学。博士(政策・メディア)。
内海 州史 Shuji Utsumi
株式会社セガ 代表取締役 社長執行役員COO
ソニーにて、プレイステーションのビジネスプランを策定し、米国マネジメントの中心メンバーとして日米の事業立ち上げに貢献。その後当時のライバルであるセガでドリームキャストプロジェクトの開発責任者を務め、同機発売後はディズニーでグローバルコンテンツのプロデュースと経営に携わり、キューエンタテインメントを起業。『ルミネス』や『チャイルド・オブ・エデン』をプロデュース、ヒット作を世に送りその後売却。ワーナーミュージックジャパン、サイバードの代表取締役社長を歴任後、2020年にセガにCSOとして復帰し、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のトランスメディア戦略を通じてセガ復活の立役者となり、2024年4月にセガの代表取締役社長に就任。グローバルな視点でマネジメントとコンテンツ開発の両方の経験を併せ持つ、ユニークな経歴の持ち主。
中山 淳雄 Atsuo Nakayama
エンタメ社会学者
事業家(エンタメ専業の経営コンサルRe entertainment創業)やベンチャー企業役員(Plott、ファンダム)をしながら、研究者(早稲田博士・慶應・立命館大研究員)、政策アドバイザー(経産省コンテンツIPプロジェクト主査、内閣府知財戦略委員)などを兼任し、コンテンツの海外展開をライフワークとする。
以前はリクルート・DeNA・デロイトを経て、バンダイナムコスタジオ・ブシロードで、カナダ・シンガポールでメディアミックスIPプロジェクトを推進&アニメ・ゲーム・スポーツの海外展開を担当。
著書に『クリエイターワンダーランド』『エンタメビジネス全史』『エンタの巨匠』『推しエコノミー』『オタク経済圏創世記』など。
三原 龍太郎 Ryotaro Mihara
慶應義塾大学経済学部 准教授
PhD, Anthropology.
文化人類学者。2017年オックスフォード大学大学院博士課程修了(PhD, Anthropology)。 専門分野はアニメを中心とした創造産業の海外展開。経済産業省課長補佐(クリエイティブ産業課立ち上げ等)、 ロンドン大学東洋アフリカ研究院(SOAS)金融経営学部講師などを経て2020年より現職。2018年よりアーチ株式会社 海外展開顧問を兼務。
渡辺 哲也 Tetsuya Watanabe
円谷フィールズホールディングス株式会社 グループ事業経営戦略本部
Ph.D., MBA
電通にて、コンテンツのプロデュース全般を担当。実写、アニメ映画、バラエティ番組、ドラマ、経済番組、アニメ番組など、民放の全系列において幅広く企画・プロデュース。特にアニメなどの権利ビジネスや、事業会社への投資事業、海外でのビジネス展開に精通。国内外での講演多数。
iU(情報経営イノベーション専門職大学) 超客員教授、デジタルハリウッド大学 非常勤講師。
丸茂 礼 Rei Marumo
株式会社テレビ東京 アニメ局長
早稲田大学政治経済学部卒業、株式会社テレビ東京入社。
番組宣伝部にて「新世紀エヴァンゲリオン(アニメ)」など多数作品の宣伝担当として、マーケティング、プロモーションを手がける。2007年よりアニメ事業部で「ポケットモンスター」「NARUTO」「妖怪ウォッチ」など30作品以上を担当し、アニメの製作投資やプロモーション、編成枠調整、原作会社との様々な交渉を行う。2024年4月よりアニメ局長として、国内海外両方にまたがるアニメビジネス、アニメ放送全般を統括している。
田中 謙司 Kenji Tanaka
東京大学大学院 工学系研究科 教授
博士(工学)
東京大学工学系研究科修士課程修了後、マッキンゼー・アンド・カンパニー、日本産業パートナーズを経て東京大学大学院工学系研究科助教、特任准教授、准教授、2024年2月より現職。
研究は、電力エネルギー、モビリティ、スマートシティ、小売流通を主な対象領域として、デジタル技術を活用した分散協調システム、データ駆動型のビジネス・サービスによる持続可能な社会システムの研究を行っている。講義では、ビジネス入門、物流マネジメント、データ駆動型起業演習などを担当する。
平野 正雄 Masao Hirano
日本ビジネスモデル学会 会長
早稲田大学大学院 経営管理研究科 教授
1987 年から 20 年間、マッキンゼー・アンド・カンパニーにて経営コンサルティングに従事。その後、プライベート・エクイティー大手のカーライルにおいて日本企業のマネージメントバイアウト ( MBO ) 投資に参画。2012 年から現職。現在、複数社の社外役員および企業アドバイザーを兼任中。
西田 治子 Haruko NISHIDA
日本ビジネスモデル学会 代表幹事
オフィス・フロネシス 代表
一般社団法人Women Help Women 代表理事
1981年 東京大学卒業後、三井情報開発株式会社総合研究所でシンクタンク研究員として、産業・社会の情報化政策関連の調査研究に従事。ハーバード大学ケネディスクールに留学後、1992年マッキンゼーに入社。コンサルタントを経て、北アジア地域のリサーチ・マネージャーとして勤務の傍ら、知の創出・イノベーションを可能とする組織作りをテーマに、講演・執筆等も行う。
2011年より、オフィス・フロネシス代表として、リサーチ・コンサルティングサービスを手掛ける傍ら、ソーシャル・イノベーション推進を目的とする非営利活動に従事。2015年、東北被災地女性就業支援等を手掛ける一般社団法人Women Help Womenを創設、代表理事に就任。以後、一貫して女性の自立支援やソーシャル・ビジネスの育成に取り組んでいる。2019年、廃材を価値あるものに変え、持続可能な社会作りに貢献する“Creative Reuse”関連の社会企業RINNEを共同創設、取締役就任。
2012年より、パブリックリソース財団理事。2016年より、日本ビジネスモデル学会代表幹事。2020年より、日精樹脂工業株式会社社外監査役、2023年より社外取締役。2022年より、プラチナ構想ネットワーク理事、知識創造プリンシプルコンソーシアム監事。
浜本 亜実 Ami Hamamoto
日本ビジネスモデル学会 プリンシパル
株式会社 Humanext 代表取締役
広島大学法科大学院 客員講師
シャネル株式会社を経て、森ビル株式会社にて、Roppongi Hills のタウンマネジメント事業に参画。2005年、人材開発企業を創業し、現在は社外役員など複数の役割を兼任中。個人と組織が最大の力を発揮していくことに関心があり、研究と実践の枠を越境し、リーダーの創造性や革新的行動、企業のイノベーションマネジメントについての探求を継続している。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程/後期博士課程修了、博士(システムデザイン・マネジメント学)。